富士通は4月27日、同社製メインフレーム用OS「OS IV/XSP」が動作する基幹IAサーバー「PRIMEQUEST」を2008年9月までに出荷すると発表した。同OS上で稼働するメインフレームのアプリケーションをPRIMEQUESTに移植できるようにする。メインフレームのオープン化を望む顧客の要望に応えるとともに、大型サーバーのラインナップ集約による収益向上を目指す。

 富士通は現在、大型サーバー分野で大きく3つの製品を提供している。ハードからOS、ミドルウエアまですべて自社開発のメインフレーム「GS21シリーズ」および「PRIMEFORCE」、Linux/Windowsが動作するItanium2プロセサ搭載の自社開発機「PRIMEQUEST」、サン・マイクロシステムズと共同開発したSolaris搭載のUNIXサーバー「SPARC Enterprise」だ。

 顧客のニーズに幅広く応えられる半面、新製品の開発投資が3重にかかり収益を圧迫するという問題を抱えている。4月26日に発表した2007年3月期(2006年度)の連結決算では、ハードウエアやOS、ミドルウエアといった「システムプラットフォーム」事業の営業利益は前年比69.5%減の75億円と落ち込んだ。製品開発の採算性向上が不可欠の状況である。

 PRIMEQUESTでメインフレームOSが動作すれば、メインフレームの提供を中止しても顧客に迷惑はかからない。富士通は「今後もメインフレームの機能強化を続けていく」と説明するが、今回の発表はポスト・メインフレームへの道筋をつけたことを意味する。

 OS IV/XSPは中規模システム用のOS。大規模システム向けのOS IV/MSPについては「PRIMEQUESTで動かせるようにするかは未定」(広報)という。