日本PDA/ハンドヘルドPC市場のエンドユーザー別出荷台数および成長率の推移。出典:ガートナー データクエスト
日本PDA/ハンドヘルドPC市場のエンドユーザー別出荷台数および成長率の推移。出典:ガートナー データクエスト
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日本PDA/ハンドヘルドPC市場のベンダー別出荷台数(千台)。丸め誤差により、各ベンダーの合計値と合計欄の値が一致しない個所がある。出典:ガートナー データクエスト
日本PDA/ハンドヘルドPC市場のベンダー別出荷台数(千台)。丸め誤差により、各ベンダーの合計値と合計欄の値が一致しない個所がある。出典:ガートナー データクエスト
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 ガートナージャパンは2007年4月26日、2006年のPDA/ハンドヘルドPC(専用端末は除く)国内市場の調査結果と予測を発表した。出荷台数は前年比215.2%の52万6000台。2002年から2桁のマイナス成長だった同市場が2006年に一気に倍以上に広がった。

 出荷台数が50万台を超えたのは2003年以来。「海外市場に遅れを取っていたスマートフォン市場が2006年に一気に立ち上がった」(ガートナージャパン)ことが市場の成長を牽引した。市場を底上げしたのは個人需要。「主要ユーザーは、既存のPDAユーザーやテクノロジーに敏感な個人ユーザー、仕事用に自己投資する企業内個人」(ガートナージャパン)だったこともあり、個人市場だけを見ると、前年比329.6%と大幅増。一方で、法人市場に関しては「海外既存ユーザーの日本における展開や、一部の特定業務用途、評価機用の購入に限定されている」(ガートナージャパン)ため、前年比117.2%に留まった。

 PDA/ハンドヘルドPC市場のシェアは1位シャープ(63%)、2位HTC(9.5%)、3位マイタック(6.9%)。ウィルコムに「W-ZERO3」「同[es]」を提供するシャープは2年連続の1位で、2位を大きく引き離して首位となった。シャープの出荷台数は33万2000台で前年比391.8%。HTCは台湾の機器ベンダーで2006年に日本市場に参入。スマートフォンをNTTドコモとソフトバンクモバイルに提供している。マイタックは2003年に日本市場に参入した台湾の機器ベンダー。ラインアップの拡充により前年7位から3位に躍進した。前年2位の日本ヒューレット・パッカード、同3位のカシオ計算機はそれぞれ4位、5位に順位を落とした。

 ガートナージャパンでは、2007年の出荷台数は前年比106.2%の55万8000台を見込んでいる。2007年後半には、マイクロソフトのOSが「Windows Mobile 6.0」に新しくなることから、参入企業と製品ラインアップの増加が考えられるという。2007年は引き続き法人需要の大幅な拡大は期待できず、個人市場の裾野拡大とハイエンド・ユーザーの買い換え需要で、市場が成長していくと予想している。