ソニーは2007年4月26日、インターネット上における映像共有サービス「eyeVio(アイビオ)」を発表した。同27日午前10時から利用できるようになる。記者会見の終盤に登場したハワード・ストリンガー会長兼最高経営責任者(CEO)は、「ソニー内で進行しているソフトウエア革命の最前線」と同サービスを持ち上げ、今後も同社のエレクトロニクス製品の架け橋になるようなサービスを次々と出していくとした。
今回のサービスの開発を主導した同社コーポレートディベロップメント部ネットメディア開発室の本間毅チーフプロデューサーは、同サービスを「パーソナルなコンテンツを、場所を気にせず共有できるサービス」と紹介した。eyeVioのユーザーは、「YouTube」や「Flickr」のようにユーザー自身が撮影した映像や静止画を無料で投稿できる。家族や友人に限定して閲覧することや、不特定多数のユーザーにも広く見てもらうことも可能である。このほか、ソニーは映画の予告映像など公式コンテンツも用意する。
再生可能な装置は、ソニー・グループの「ウォークマン」や「プレイステーション・ポータブル(PSP)」のほか、パソコン、携帯電話機、アップルの「iPod」や任天堂の「Wii」でも視聴可能にする。将来的にはテレビ受像機を使い、現在のテレビ番組を見るようなスタイルで視聴できるようにする。その足がかりとして、2007年夏をメドにHDTV映像にも対応するという。
YouTubeなど先行するサービスとの違いとして本間氏は、「従来のサービスは視聴が中心だが、映像を介したコミュニケーションを重視している」と説明した。さらにソニーらしい特徴として「メーカーとしてハードウエアと連携した使いやすいユーザー体験を提供できること」「HDTV映像も扱えること」「リビングルームでの視聴を推進すること」を挙げる。
特徴の一つは、「クリーンでセイフティ」というイメージを打ち出すため、投稿コンテンツの内容を、すべて人手を介してチェックすることだ。これは、テレビ番組やDVD映像など著作権を侵害する映像や公序良俗に反する映像の投稿を排除するための措置だが、私的な映像や画像を知人同士で共有したいユーザーには抵抗感がありそうだ。この点について本間氏は「難しい判断だった」としたうえで、「チェックする場合、チェックしない場合の良し悪しとを勘案した結果だ」と説明した。ちなみに、有人監視の場所は「日本ではない場所」とだけ説明し、具体的な地域名やチェック方法の詳細は明かさなかった。