富士通は4月26日、2006年度(2007年3月期)の連結決算を発表した。営業利益は前年比0.3%増の1820億円。増益を確保したものの、目標の1900億円に届かなかった。売上高は前年比6.4%増の5兆1001億円。

 セグメント別にみると、ハードウエアやソフトウエア、システム開発などを含む「テクノロジーソリューション」分野は、売上高が前年比5.8%増の3兆1570億円と初の3兆円超え。営業利益は同6.9%増の1636億円となった。

 テクノロジーソリューションのうち、好調だったのはシステム開発やアウトソーシングなどの「サービス」。売上高は同8.3%増の2兆4532億円、営業利益は同21.5%増の1561億円だった。国内で金融・製造分野を中心にSI事業が伸びたほか、北米での企業買収や英国におけるアウトソーシング事業の売上拡大が寄与した。

 一方、テクノロジーソリューションのうち、ハードウエアやOS、ミドルウエアといった「システムプラットフォーム」は、売上高が同1.9%減の7037億円、営業利益は同69.5%減の75億円と苦戦を強いられた。小倉正道副社長CFO(最高財務責任者)は、「サーバーの価格競争や性能向上による低価格帯へのシフトが進んだ影響をカバーできなかった」と説明する。

 テクノロジーソリューション以外のセグメントでは、パソコンや携帯電話などの「ユビキタスプロダクトソリューション」が、売上高が同5.5%増の1兆1183億円。営業利益は同19.7%増の416億円。半導体や電子部品などの「デバイスソリューション」は、売上高が前年比7.8%増の7626億円。営業利益は電子デバイスの価格低下の影響で同35.6%減の190億円となった。

 2007年度の業績見通しは、売上高が前年比5.9%増の5兆4000億円、営業利益は同4.3%増の1900億円。小倉CFOは「今度こそ1900億円を達成したい」と意気込む。