米Vonage Holdingsと米Verizon Communicationsの間で争われている特許侵害訴訟で,ワシントンD.C.の米連邦巡回上訴裁判所は,バージニア州米連邦地方裁判所がVonageに対して下した差止命令の恒久的な執行猶予を認めた。Vonageが米国時間4月24日に明らかにしたもの。

 Verizonは2006年6月に,Vonageとその子会社がVoIP技術に関する7件の特許を侵害したとして提訴(関連記事)。地裁は2007年3月8日,Vonageが3件の特許を侵害したと判断して5800万ドルの損害賠償を支払うよう命じたほか,同月23日に当該特許の使用禁止を通告した(関連記事1関連記事2)。

 Vonageは使用禁止命令の執行延期を求めていたが,地裁は4月12日付けで発令することを4月6日に申し渡した。既存ユーザーへのサービス継続は可能だが,新規加入者契約は許可されないことになる。

 しかし同日,Vonageの上告を受けた上訴裁は,発令の一時停止を承認(関連記事)。これによりVonageは,上訴裁の判決が下るまで新規顧客獲得活動を行うことができるようになった。ただし訴訟の結果によっては,サービスの継続や債務返済ができなくなり,破産に追い込まれる可能性もあることを,米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類で明かしていた(関連記事)。

 今回,上訴裁判所が恒久的な猶予を認めたことで,Vonageは引き続き既存ユーザーへのサービス提供と新規顧客との契約締結が行える。また,同社会長兼暫定CEO(最高経営責任者)のJeffrey Citron氏は「当社はVerizonのいかなる技術も侵害していないと確信している。最終的に勝訴するという見通しは変わらない」と述べた。

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