米大統領の命令によって設置されたIdentity Theft Task Forceは米国時間4月23日,個人情報の盗難に対応するために策定した戦略的計画の概要を明らかにした。連邦レベルで包括的に連携して取り組むための計画で,政策変更から情報を取り扱う現場の意識改革まで,広範な内容となっている。

 同計画では,1)個人情報の盗難に対する刑事告発の効率化,2)公共部門,民間部門,消費者による個人情報の保護強化,3)消費者と企業に対する包括的かつ効果的なガイドラインの提供,4)被害に遭った消費者の救済と支援の向上,に重点を置いている。

 具体的には,社会保障番号の不必要な使用の制限や,企業の個人情報保護に関する国レベルの基準策定などを提案している。また,個人情報の盗難に関する法執行機関「National Identity Theft Law Enforcement Center」の設置,個人情報の盗難に関する継続的な啓蒙キャンペーンなども勧めている。

 現行法の不備(抜け穴)を防ぐため,重犯者には2年の強制的な実刑判決,スパイウエアやキーロガーの悪用者や,州内の電子データの盗難も告訴対象とする法の改定なども急務としている。

 なお同タスク・フォースは2006年5月10日に設置され,現在17の連邦機関が関与している。

[発表資料へ]