米Microsoftはベルギーで現地時間4月23日,欧州連合(EU)の独占禁止法当局である欧州委員会(EC)の異議声明(statement of objections)に対する回答を提出したと発表した。同社顧問弁護士兼上級副社長のBrad Smith氏は,「ECが当社にいくらのライセンス料設定を望んでいるのか,もっと明確に示してもらう必要がある」と述べている。

 ECは今年3月1日に,Microsoftの独占禁止法違反行為に対する和解条件の履行が不十分として異議声明を送った(関連記事)。その際,サーバー・プロトコルのライセンス料が適正ではないと指摘していた。

 Microsoftは,「サーバー・プロトコルの情報を開示する『Workgroup Server Protocol Program(WSPP)』は,ECが2004年3月に決定した措置に従うために作成されたプログラムだ」と主張。「当社に下された命令は,Windows Serverのプロトコル技術を“合理的かつ非差別的な条件で”利用可能にするというものだった。目下の問題の焦点は,“合理的”として認められるために,当社の(ライセンス)価格をいくらに設定すればいいかだ」(同社)。

 なお,Microsoftはこの件について口頭審理を要求しないとしている。「公式な聴聞よりも,建設的な話し合いをした方が,より良い結果が得られるに違いない」(Smith氏)。

 一方ECも,Microsoftから回答を受け取ったことを同日確認し,「是正命令不履行の制裁金を科すかどうか,これから検討する」と述べた。

[発表資料(Microsoftのプレス・リリース)]
[発表資料(ECのプレス・リリース)]