半導体商社のPALTEKは,4月19日から20日に開催された「次世代モバイル技術セミナー」において,英ピコチップ(picoChip)と米ウィンテグラ(Wintegra)の製品を組み合わせたWiMAXプラットフォームを展示し,同社の取り組みをアピールした。また,英ピコチップ製のフェムトセル用チップセットに関するパネルも展示した。

写真1●PALTEKが展示したWiMAXプラットフォーム。デモでは有線ケーブルで接続して通信した
写真1●PALTEKが展示したWiMAXプラットフォーム
デモでは有線ケーブルで接続して通信した。
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 WiMAXプラットフォームは,ピコチップのチップセットが物理層を,ウィンテグラのチップセットがMAC(媒体アクセス制御)層を担当する(写真1)。これに電波を送受信するための「RF回路」を追加することで,WiMAX基地局を構成できる。PALTEKは,「基地局メーカー向けに売り込みたい。すでに日本メーカー数社から引き合いがある」と語る。

 展示されたデモ用の機器は,最大4.2Mビット/秒で動作していたが,「端末側のチップセットがテスト用なので速度を絞っている。実力では,周波数帯域幅が10MHzの場合で20Mビット/秒の通信速度を出せる」(PALTEK)という。

フェムトセル用チップセットを日本メーカーに売り込む

 一方,フェムトセルとは,家庭内やオフィス内に小型の携帯電話基地局に設置し,ブロードバンド回線を経由して携帯電話網に接続する形態。現行の携帯電話端末でFMC(fiexd mobile convergence)サービスを実現できるものとして,通信業界の注目を集めている(関連記事1)。スウェーデンのエリクソンが2007年末の発売を予定しているほか,NECも製品開発に乗り出している(関連記事2関連記事3)。日本を含む世界中で商用化の検討が進んでおり,「年末には欧州でフェムトセルを利用したサービスが始まるだろう」(PALTEK)という。

写真2●フェムトセルへの取り組みのパネル展示
写真2●フェムトセルへの取り組みのパネル展示
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 PALTEKは,ピコチップのフェムトセル基地局用チップセットを国内で取り扱うことを,パネル展示でアピールした(写真2)。このチップセットは,物理層とMAC層の処理を1チップ化した,フェムトセル基地局の心臓部に当たる。第3世代携帯電話対応とWiMAX対応の2種類のラインナップを用意するという。「携帯電話の基地局メーカーだけでなく,無線LANのアクセス・ポイントのメーカーにも売り込みたい」(PALTEK)。

 最終製品の価格は「およそ200米ドル(約2万4000円)になる。将来的には100ドル(約1万2000円)を切る価格になるだろう」とした。