米グーグルのモバイルプロダクトマネージメントディレクター ディープ ニシャー氏
米グーグルのモバイルプロダクトマネージメントディレクター ディープ ニシャー氏
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携帯電話での検索語は多岐に渡るため「ロングテール現象」が起きる
携帯電話での検索語は多岐に渡るため「ロングテール現象」が起きる
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日本の携帯電話で「Personalized Search」を展開することを示唆
日本の携帯電話で「Personalized Search」を展開することを示唆
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 「モバイル検索の上位100が占めるのは全体のたった12%。モバイル検索でもロングテール現象は起きている」--2007年4月19~20日の日程で開催された「次世代モバイル技術セミナー」に米グーグルのモバイルプロダクトマネージメントディレクターのディープ・ニシャー氏が登壇し、基調講演を行った。

 ニシャー氏は、携帯電話で行われる検索について「いろいろなタイプのクエリ(検索用語)が存在している」とグラフを用いて説明。グーグルの携帯電話向けサービスで検索される語の比率を棒グラフにして大きい順に並べると、ロングテール型になることを示した。携帯電話での検索では「ポケットにある携帯電話だと(パソコンを立ち上げて行うより)検索が楽なため、今まで調べなかったことでも頻繁に調べる」(ニシャー氏)傾向があるという。そのため、検索用語が多種多様になり、ロングテール現象が起きているのだ。一方で、現在の携帯電話における検索精度はパソコンに比べるとまだ低い。その点については、「改善の余地があると認識している。ユーザーがもっと検索をし、履歴が蓄積することによって精度は上がる」(ニシャー氏)と説明した。

 携帯電話はディスプレイの大きさやボタンの数にも制限があるため、「PCの使い方とはまったく違う」(ニシャー氏)という側面もある。グーグルの携帯電話向けサービスでは「パーソナライゼーションのサービスを提供することが主体」(ニシャー氏)。検索エンジンがユーザーに疑問を投げかけたり、ユーザーの過去の検索履歴を見て何かを提案することも考えられるという。例えば、「レシピ」と検索したあとに「どういうレシピですか?」「どの地域のレシピですか?」と聞いたり、以前に寿司屋を検索していれば寿司のレシピを表示したりといったようなことだ。ほかにも、ユーザーの行動形態によって検索精度が上がる「Personalized Search」のモバイル版を紹介。ユーザーの検索履歴に従ってログを蓄積し、検索の際に「天気」と入れると頻繁に検索する場所の天気を表示したり、「映画」と入れるとユーザーが住んでいる場所に近い場所で上映している映画を表示したりする。日本ではパソコン版のPersonalized Searchは既に提供されているが、携帯版でのサービス開始時期は未定。