米Microsoftは現地時間4月19日,デジタルデバイドを解消するための新たな取り組みを発表した。この取り組みは,まだテクノロジの恩恵を受けられない状況にあるおよそ50億人を対象に,社会的かつ経済的な機会を与えることを目的とするもの。途上国向けの低価格な製品やプログラムを用意するほか,地域のソフトウエア・エコシステム推進のために,90のイノベーション・センターの新設などを計画している。

 Microsoftは,ITアクセスの機会に恵まれない地域や人に向けた社会貢献プログラム「Unlimited Potential(UP)」を通じて,助成金や技術提供などを行っている。今回の発表は,「教育」「技術革新」「就労と経済的な機会」の3分野に焦点をあてて,このプログラムをさらに拡大するというもの。

 教育分野では,同社が5年間で2億5000万ドルを投資した「Partners in Learning」を通じて,すでに101カ国で250万人を超える先生がトレーニングを受けているという。このプログラムの一環として,Microsoftは教育に役立つソフトウエアをまとめたパッケージ「Student Innovation Suite」を2007年下半期に投入する。このパッケージは,Windowsベースのパソコンを購入し,国内の生徒に直接配布することに合意した行政機関に3ドルで提供される。これには,「Windowx XP Starter Edition」「Office Home and Student 2007」「Math 3.0」「Learning Essentials 2.0 for Microsoft Office」「Windows Live Mail Desktop」などが含まれる。

 地域における技術革新の促進では,今後2年間でイノベーション・センターへの投資を拡大する計画を発表した。2009年までに新たに25カ国に90のセンターを開設し,合計200のセンターを運営,サポートする予定だという。

 就労と経済的な機会の創出では,新卒者がオンライン・トレーニングやテストを通じて,技術,ビジネス,コミュニケーション・スキルを向上させることに役立つポータルを用意する。2007年末までにサービスを開始する予定だという。

 Microsoftは,これらの取り組みを通じて,現在テクノロジの恩恵が受けられない50億人のうち,2015年までに最初の10億人にテクノロジへのアクセスを提供することを第一段階の目標としている。

発表資料(1)
発表資料(2)