USENは4月19日,2007年8月期の中間決算(2006年9月~2007年2月)を発表した。連結の売上高は前年同期比90.8%増となる1556億3400万円,営業利益は前年同期の4億1500万円から大幅増となる66億8000万円など,増収増益を達成した。ブロードバンド事業の黒字化などが利益を押し上げた。

 事業ドメイン別では,ブロードバンド・通信事業が1億400万円の営業利益となり,事業開始後初めての黒字となった。一方,無料動画配信サービス「GyaO」などを含む映像・コンテンツ事業は53億3100万円の営業損失と,引き続き赤字だった。ただし今回の赤字は「半分以上が映像配給会社であるギャガ・コミュニケーションズによるもの。GyaO自体の売り上げは右肩上がり」(USEN)。

 そのGyaOだが「広告売り上げは順調に伸びているが,計画には届かなかった」(USEN)という。その理由として,ユーザーの視聴時間の伸びが鈍化傾向にあることとや,GyaOに対する広告効果が代理店の間でまだ研究段階にあることなどを挙げた。今後は地方企業や中小のクライアントを対象とした広告商品を開発するなどして,売り上げ増に結び付けたいとした。

 またUSENは同日付で,ゴールドマン・サックス(GS)系のジーエス・ティーケー・ホールディングス・ツー合同会社(GSTK2)を引受先とする約250億円の第三者割当増資を実施することも発表した。今回の増資は,既存の借入金の返済に充て,有利子負債の圧縮を目指すという。振り込み期日は5月11日。増資後は,約1400億円あるUSENの有利子負債は1000億円を切る水準まで下がる見込みだ。なお増資によってGSTK2は,宇野康秀社長に次ぐUSEN第二位の大株主となる。