米Vonage Holdingsは米国時間4月17日,特許侵害めぐる訴訟で破産に追い込まれる可能性があることを,米国証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書(Form 10-K)で明らかにした。Vonageは2007年3月に,米Verizon Communicationsとの特許侵害訴訟に敗訴。裁判所から損害賠償の支払いや,当該特許の使用禁止および新規顧客の獲得禁止などを命じられている。

 Vonageは2006年6月に,VoIP技術に関してVerizonの特許を侵害しているとして訴えられた。バージニア州東部連邦地方裁判所は2007年3月,VonageがVerizonの3件の特許を侵害したと認める判決を下した。裁判所は,Vonageに対して5800万ドルの損害賠償とともに,特許使用料の支払いを命じた。また,4月12日以降,当該特許を用いた技術の使用および新規顧客の獲得を禁止する命令を通告した。この判決を受け,Vonageは連邦巡回控訴裁判所へ上告し,裁判所命令の緊急停止命令を得た。そのため,巡回控訴裁判所の判決が下るまで,新規顧客獲得活動を行うことができる。

 報告書では,係争中のほかの特許侵害訴訟による事業継続に対するリスクも説明している。これらの訴訟の結果によっては,サービスの継続や債務返済ができなくなり,ニューヨーク証券取引所から上場廃止を通告される可能性があるとしている。

 Vonageは4月12日に,同社CEO(最高経営責任者)であるMichael Snyder氏の退任を発表した。Snyder氏は,4月11日付で同社取締役会からも退いた。正式な後継者が見つかるまでの間は,会長のJeffrey A. Citron氏が暫定CEOに就く。また,財務状態改善のために大規模なコスト削減策を発表している。事業統合と人員削減を通して,2007年の管理費を3000万ドル削減する予定だという。

 2006年の株式公開以来,Vonageの株価は81%下落している。

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