米AT&Tはイタリア通信大手Telecom Italiaの経営権取得に向けた間接的出資の交渉から離脱した。米国時間4月1日に間接的出資を提案中であることを公表した同社が,16日に交渉離脱を明らかにした。この交渉では,AT&TとメキシコのAmerica Movilが,Telecom Italiaの筆頭株主であるOlimpia社の株式をそれぞれ3分の1買い取るという内容だった。OlimpiaはTelecom Italiaの普通株の約18%を保有している。

 米メディア(NYTimes.com)の報道によると,AT&TとAmerica MovilはOlimpiaの親会社である伊Pirelliと独占交渉に入っていた。しかしTelecom Italiaが海外企業の手に渡ることにイタリアの一部政治家から異論の声が上がり,Romano Prodi首相も阻止策にこそ乗り出さなかったものの「イタリアによる解決手段を望む」と述べていたという。
 
 AT&Tは交渉打ち切りの理由を明らかにしていないが,関係者は「イタリアでの強い政治的圧力が同社を思いとどまらせた」と語った。

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