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 レッドハットは4月18日、Linuxディストリビューションの新版、「Red Hat Enterprise Linux 5」を発表した。新版では、主に大規模システム向けの機能を強化。具体的には、サーバー1台で複数のOS環境を動作させる仮想化ソフトやストレージ仮想化機能の搭載、クラスタリング・ソフトの標準装備である。同日、販売を開始。価格は2CPUまでの製品で年額10万1640円から。

 仮想化ソフトは、オープンソース・ソフトのXenをベースに開発したもの。仮想化ソフトを使って複数のOS環境を1台のサーバーに同居させることで、サーバーを効率的に利用できる。同社によると、「通常は15%から20%程度の稼働率だが、最大で80%にまで高めることができる」という。
 
 ストレージの仮想化機能「Red Hat Global File System」とクラスタリング・ソフトの「Red Hat Cluster Suite」は、CPU数無制限で利用できる最上位の「Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform」に搭載する。Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platformの価格は年額20万4750円から。

 今回同時に、Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platformに対する新たなサービスも提供開始した。「Red Hat Solutions」と呼び、第1弾として2種類のサービスを用意する。一つは、ミッション・クリティカルなシステム向けに、システム管理製品や24時間365時間対応のサポートなどを提供する「Red Hat Datacenter Solution」。もう一つは、科学技術計算用途のシステムを低価格で構築できる「Red Hat HPC Solution」である。価格は、Red Hat Datacenter Solutionが年額1560万円(30台まで)、Red Hat HPC Solutionが年額156万円(16ノードの場合)である。

 ノベルが提供するLinuxディストリビューションのSUSE Linuxでは昨年からXenを搭載済み。日本国内のシェアが最も高いRed Hat Linuxが仮想化ソフトを搭載したことで、今後、仮想化技術の利用が加速するとみられる。