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写真1●Google Web Analytics担当シニア・マネージャであるBrett Crosby氏 [画像のクリックで拡大表示] |
Googleの広告ビジネスの基本的な方針は,「中間業者の排除」にあるようだ。Brett Crosby氏が登場したセッションは「Marketing Analytics for Web 2.0(Web 2.0のマーケティング分析)」というものだったのだが,話す内容はすべてユーザー企業(広告主)に向けられていた。広告代理店やマーケティング・コンサルタントを介さずに,広告主に対して広告サービスやマーケティング・サービスを直接提供すれば,広告主はより低いコスト(時には無料で)サービスを受けられるし,Googleはより高い利益率を享受できる。
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写真2●「人を雇って自社で分析をやろう」と訴えたスライド [画像のクリックで拡大表示] |
Webアクセス分析サービスの「Google Web Analytics」は,Googleがアクセス解析ソフトの老舗である米Urchinを買収して始めたサービス。Googleの広告サービスを利用する企業であれば無料で使用できる。「物品を販売したり,メール・マガジンの購読者を増やしたりといった『Webサイトの目的』にユーザーを導けているかどうかを検証するのが,Google Web Analyticsだ」(Crosby氏)。
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写真3●ユーザーの行動結果をWebサイトのイメージと照らし合わせて把握できる [画像のクリックで拡大表示] |
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写真4●Ajaxアプリケーションにおける行動もトラッキング可能 [画像のクリックで拡大表示] |
Google Web Analyticsを利用するには,Webサイトの各ページにGoogleが提供するJavaScriptを埋め込む必要がある。Googleは「ファースト・パーティCookie」と呼ばれるGoogle Web Analyticsを利用する全サイトで共通するCookieを配布しており,JavaScriptがこのCookieを呼び出すのだ。「Web 2.0以前のWebアクセス分析は,ページ・ビューだけをトラックすればよかった。しかしWeb 2.0では,ユーザーのアクションをトラックする必要がある。Google Web AnalyticsはFlashムービーやAjaxを使ったインタラクション,ポッド・キャストの利用状況などもトラック可能だ」(Crosby氏,写真4)。
ユーザーの行動は様々な視点で分析可能。IPアドレスを使ってアクセスするユーザーを地理的に分類することで「地域を限定して放送したTV広告やラジオ広告の効果を測定できる」(Crosby氏)とも主張している。またCrosby氏は,Webアクセス分析がWeb以外のマーケティングにとっても重要だと指摘した。「例えばCMの候補を何種類か作って,視聴者に見せる前にWebで試してみるのもいい」。その上でCrosby氏は冒頭のように,「自社でWebアクセス分析を行えば,マーケティング費用を大幅に削減できる」とアピールした。