谷岸一善執行役員常務
谷岸一善執行役員常務
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 NECは4月17日、IP電話と業務システムを連携するシステム構築サービス「UNIVERGEソリューション」を拡充すると発表した。支店や工場、社外で使用するIP電話と業務システムを連携できるようにすることで、IP電話サーバーやミドルウエアを拡販する。従来は、総合職や事務職といった本社内のシステムだけを対象にしていた。

 新たに加わったシステム構築サービスは4つ。タッチパネル式ディスプレイを用いたTV会議システム「UNIVERGE 役員会議ソリューション」、携帯電話でファイル・サーバー内の文書ファイルや基幹系システムのデータを閲覧できるシステム「同 モバイル文書閲覧ソリューション」、自宅や外出先から内線電話で通話できるシステム「同 どこでも内線ソリューション」、在宅勤務環境を構築する「同 テレワーク導入支援ソリューション」である。

 これらのシステムを組み合わせれば、時間や場所を問わずに、同じ資料を見ながら会議を開いたり、工場や営業現場に業務を指示したりできる。キーボードやマウス操作に慣れていなくても、IP電話と業務システムを連携したシステムを活用できるよう、役員会議ソリューションではタッチパネル式ディスプレイを使うほか、直感的な操作できるメニュー表示にしている。

 各システムの価格は、役員会議が2700万円(10人用、ディスプレイ費用除く)から、モバイル文書閲覧が640万円から、どこでも内線が300万円(50回線)から、テレワーク導入支援は個別応談、である。IP電話と連携するシステムとしては相場より若干高めだが、「役員会議ソリューションは、一切、値引きしない」(谷岸一善執行役員常務)と強気だ。4月末から順次、販売する。

 いずれのシステムも、同社のIP電話サーバー「UNIVERGEシリーズ」と、社内システムとIP電話とを連携するミドルウエア「UNIVERGE OW5000」を組み合わせて構築する。音声データとディスプレイに表示するデータの同期をとったり、情報漏えいを防ぐために端末側に表示データを残さないようなシステムを構築できる。

 NECはIP電話と業務システムの連携を推進することで、「UNIVERGE事業を年率10%台で成長させたい」と、谷岸常務は意気込む。2006年度は約3000億円だった同事業の売上高を、3~4年後には5000億円規模に引き上げる計画だ。

 さらにUNIVERGE事業の海外展開を強化するため、今回の発表に合わせ、NECが米ユニシスと2005年10月に締結したグローバル協業項目に、「UNIVERGEソリューション」を核とした「ユニファイドコミュニケーション領域」を追加した。