「arrested for drunk driver(飲酒運転で逮捕されたドライバー)と検索すると,チェイニー副大統領がトップに表示される。ブッシュ大統領より上なのは,チェイニー副大統領が2度逮捕されたからだ」(Spock.comのJay Bhatti共同創業者)──。人物に対して付けられた「タグ」(メタ・データ)を基にした人物検索エンジン「Spock.com」の詳細が,4月16日(米国時間)の「Web 2.0 Expo」で明らかになった。

 4月16日に行われた「Web 2.0 Expo」の基調講演では,ベンチャー企業が自身のサービスを10分間でアピールするという「Launch Pad」というセッションが行われた。Spock.comのJay Bhatti共同創業者はこのLaunch Padに登場し,現在はまだ限定的にしか公開していない人物検索サービス「Spock.com」を詳細に実演してみせた。

 「Spock.com」の詳細は,Tim O'Reilly氏のブログが詳しい。Spock.comは人物検索に特化したインターネット検索サービスであり,人物の情報を「Wikipedia」やソーシャル・ネットワーキング・サイトの「LinkedIn」や「Facebook」で調べ,システムが自動的に人物に対して様々な「タグ」を付加する。そして,例えば「blogger」と検索すると,「blogger」というタグが付けられた人物が優先的に検索結果に表示される(写真1)。システムが自動的につけた「タグ」は,ユーザーがその成否を「投票」によって修正する仕組み(写真2)。こうすることで,タグ情報がより正確になるという。

 
写真1●Spock.comで「blogger」と検索した結果
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  写真2●人物に付けられたタグの成否はユーザーが評価できる
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 講演では,様々な情報を使って人物を検索してみせた。冒頭で紹介した「飲酒運転で逮捕されたドライバー」といった検索結果や,「fashion model red hair(ファッション・モデル 赤毛)」といった検索結果(写真3)などである。

 Googleで「arrested for drunk driver」と検索しても,もちろんチェイニー副大統領は検索結果の上位にはならない。Spock.comは人物検索に特化している上に,チェイニー副大統領に対して「arrested for drunk」という情報が付加されているから検索結果の上位に顔を出すわけだ。3000人以上が集まったWeb 2.0 Expoの基調講演(写真4)でも,Spock.comはひときわ注目を集めていた。

 
写真3●ファッション・モデルの検索なども可能
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  写真4●3000人以上が集まったWeb 2.0 Expoの基調講演
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