米アドビ システムズのブルース・チゼンCEO
米アドビ システムズのブルース・チゼンCEO
[画像のクリックで拡大表示]
Apolloを利用した「Adobe Media Player」。動画の全画面表示やRSSにも対応する
Apolloを利用した「Adobe Media Player」。動画の全画面表示やRSSにも対応する
[画像のクリックで拡大表示]

 アドビ システムズは2007年4月17日、都内で記者説明会を開催。米アドビ システムズのブルース・チゼンCEOが同社の戦略を述べた。

 チゼン氏がまず強調したのは2007年3月19日に開発者向けのα(アルファ)版を公開したアプリケーション実行環境「Apollo」の有用性。ApolloはFlashやPDF、HTMLなどを一つの環境で利用できる新しいデスクトップ上のアプリケーション実行環境。Windows、Mac OS、LinuxなどのOSに依存せず単独で実行できるのが特徴だ。「開発者は今まで習得してきた技術や知識を何ひとつアップデートせずに利用できる。ユーザーにとってはWebの見方を革新的に変えるもの」(チゼン氏)と強調した。Apolloをベースに作成したFlash動画の再生プレーヤー「Adobe Media Player」のデモも見せた。Adobe Media Playerは2007年4月16日(米国時間)に発表され、米国で開催中のNational Association of Broadcasters (NAB)で展示されている。ハイビジョン画質のビデオ、ストリーミング型およびダウンロード型両方のビデオ再生が可能。RSSにも対応し、オンラインでもオフラインでも利用できる。無料ダウンロードのベータ版を2007年後半には用意し、Apollo同様、年内に正式リリースを予定している。

 さらに、日本での展開は未定としながらも、今後の戦略の1つとして掲げたのが「新しい方法でソフトを提供する」(チゼンCEO)こと。かねて強調している、ソフトウエアをサービスとしてオンラインで提供するSaaS(Software as a Servise)形態に注力することを改めて強調した。現在既に北米では「Adobe Online Services」としていくつかのオンラインサービスを提供中。Web会議サービスの「Acrobat Connect」、PDF作成サービスの「Create PDF documents online」、PDFにセキュリティを付けられる「Protect your documents online」の3つを展開している。さらに、画像編集ソフト「Photoshop」においても「Photoshop Express」という名前でサービス展開の用意があるという。「Photoshopはデジタルカメラを持つすべての人に持ってほしい。そのために、Elements(廉価版)よりさらにライトに利用する人たちにオンラインで手軽な編集ツールを用意する」(チゼンCEO)。