4月15日正午過ぎに三重県で発生した最大震度5強の地震で、気象庁は緊急地震速報の配信状況について公表した。緊急地震速報は震度や位置の予測情報を算出し、ネットワークで先回りして伝えるサービス。今回も3月の能登半島地震と同様にシステムが起動した。

 気象庁の発表によると、最大震度の5強を記録した三重県北部の亀山市では速報が間に合わなかった。理由は、地震の震源が浅い上に三重県中部の内陸部で発生したため。震源にほど近い亀山市では、大きな被害をもたらす主要動(S波)が緊急地震速報よりも先に到達してしまった。一方、震度4を記録した三重県桑名市ではS波の5秒前に速報を提供できたという。同県松阪市と四日市市ではそれぞれ2秒前だった。

 第1報では「最大震度4程度以上の地震が来ます」という情報を配信。それから1秒後に「三重県中部に最大震度5弱程度以上」という第2報が流れた。なお、気象庁が発表している各地点における配信状況はシステム上の理論値。実際に、緊急地震速報のシステムを利用しているユーザーが受信した値ではない。

 緊急地震速報は気象庁が全国に設置した速報地震計で初期微動(P波)を観測し、そのデータから主要動の規模を推定。主要動を先回りして、通信回線を経由して地震の警報を配信する。発生直後の第1報は少数の地震計から送られてくるデータで計算するが、その後より多くの地震計のデータで補正をかけていく。