米Googleと米大手ラジオ放送局Clear Channel Radioは,ラジオ放送向け広告に関して複数年の提携を締結した。Googleが米国時間4月16日に明らかにしたもの。同社は,Clear Channelの675を超えるAM/FM放送に,30秒のスポット・コマーシャルを配信する。金銭的な条件は明らかにしていない。

 提携により,Googleのラジオ広告サービス「Google Audio Ads」を利用する広告主は,特定の聴衆,時間,地域をターゲットにした広告展開が可能になる。一方Clear Channelは,これまでラジオ広告を展開したことがなかった広告主にコマーシャルを販売することで,新たな収益源を確保できる。

 Googleは既に,Clear Channelのオンライン部門Online Music & Radio Unitと提携し,ラジオ局のWebサイトにGoogle検索エンジンを排他的に提供している。「今回の提携は,両社の関係をさらに強化するもの」(同社)。米メディア(New York Times)によると,Audio Adsを通じたラジオ広告の提供開始は6月末になる見通し。

 なおGoogleは2006年1月に,ラジオ放送向け広告を手がける米dMarc Broadcastingを買収し(関連記事),dMarcの広告プラットフォームとGoogle AdWordsを統合した,Audio Adsのベータ提供を行っていた。

 dMarcよりGoogleに移籍した,戦略的パートナ開発部門担当者マネージャのScott Silverman氏は同社の公式ブログで,「Clear Channelと手を組んだことで,広告主は全米の一流ラジオ番組にコマーシャルを流し,任意の顧客層に容易にリーチできるようになる」と述べている。

[発表資料へ]
[公式ブログ]