リニューアルに当たって重視した3つのポイント
リニューアルに当たって重視した3つのポイント
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ブックマークに登録したWebサイトの全文検索が可能
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ドラッグ・アンド・ドロップ操作でフォルダーに分類
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Yahoo!ツールバーの青い星印のアイコンをクリックするだけでブックマークに登録可能。右隣は、表示中のWebページをブックマークに登録しているユーザーの数
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 ヤフーは2007年4月16日、オンラインブックマークサービス「Yahoo!ブックマーク」をリニューアルした。ユーザー同士でブックマーク情報を共有できる、いわゆる「ソーシャルブックマーク」機能を盛り込んだのが最大の改良点。ブックマークに登録したWebページの全文をキャッシュとして保存し、検索できる機能もある。

 リニューアルに当たって目指したのは「インターネット上の人類の記憶装置になる」(ヤフーの検索事業部 企画部メインサーチ企画の前川英之氏)こと。そのために必要な要素として、「Easy(簡単)」、「Joy(楽しい)」、「Powerful(強力)」の3つを重視した。

 ユーザーが皆で情報を共有し合うソーシャルブックマーク機能は、このうちの「Joy」に当たるもの。Yahoo!ブックマークに登録した情報は、ユーザーごとに用意された「Myブックマーク」という専用ページで管理する。ブックマークごとに、他人に公開するか非公開にするかをユーザー自らが設定できる。公開されたブックマークは、「人気ブックマーク」ページで確認。多くの人がブックマークに登録した人気のWebページを一覧したり、タグとしてよく使われているキーワードの一覧を見たりできる。

 「Powerful」を実現するために盛り込んだのが、ブックマークしたWebページの全文保存・検索機能。ブックマークに登録したWebサイトは、URLだけでなく本文もキャッシュとして保存する。つまり元のWebサイトが消滅した後でも、当時の内容を確認できるというわけだ。このキャッシュはユーザーごとに保存するため、ほかに同じWebサイトをブックマークしているユーザーがいても、キャッシュの内容が書き換えられることはないという。さらに保存したWebページの全文が検索対象となるのも、特徴的。他の競合サービスはタイトルやタグに含まれる文字のみを検索対象とすることが多いため、差別化できるという。

 「Easy」を重視し、使い勝手も向上させた。ブックマーク登録の手間が面倒だった従来のサービスには、ユーザーから「面倒くさい」「使いにくい」などの声が寄せられていたという。そこでブラウザーに組み込んで使う「Yahoo!ツールバー」と連携し、ツールバー上のボタンを1回クリックするだけでブックマークに登録できるようにした。ブックマークの管理画面では、ドラッグ・アンド・ドロップ操作でブックマークをフォルダー分けできる機能も追加。管理性や操作性を向上させた。

 このサービスは、米ヤフーとの共同開発によって生み出されたもの。プロジェクトに携わった、米ヤフーでサーチのプロダクトマネージメントディレクターを務めるフレッド・デルシー氏は「日本は、ソーシャルブックマークのようなサービスに向いている」と話す。日本のユーザーは、ユーザー自身が積極的に情報を生み出して共有する、いわゆるソーシャル的なサービスに参加しようという意識が高いからだという。

 だが、オンラインブックマークの市場は「今はとても小さい」(ヤフーの前川氏)のが現状。今回のリニューアルによって、市場規模そのものの拡大を狙うという。現在のYahoo!ブックマークは、1カ月にログインするユーザー数が25万人いるといい、「近いうちにこれを2倍にしたい」(前川氏)というのが目標だ。