フィンランドのNokiaは現地時間4月13日,米QUALCOMMがNokiaの特許を使用していないと発言したことに対して,「QUALCOMMは当社技術および特許の最大ユーザーである」とするコメントを発表した。

 「当社は過去15年間にわたってGSM,WCDMA,CDMAといった業界標準規格に技術を提供してきた。もしQUALCOMMの製品が業界標準に準拠するなら,他のモバイル製品プロバイダと同じ立場だ。すなわち,標準化技術をカバーする当社特許へのアクセスが必要となる」(Nokia)

 Nokiaは,QUALCOMMのチップセットがGSM/WCDMAおよびCDMA2000に関する100件以上のNokia特許を使用していると主張。同社がQUALCOMMに求めるロイヤリティは「公正かつ正当で差別のないもの(FRAND:fair, reasonable and non-discriminatory)」だとしている。

 両社は4月9日に期限を迎えたライセンス契約を巡り,特許侵害訴訟で争っている。QUALCOMMはNokiaのGSM/GPRS/EDGE携帯端末で使われている技術が同社の特許を侵害しているとして,米国や英国で提訴(関連記事1関連記事2)。一方Nokiaは,QUALCOMMの欧州特許が失効しているとして,ドイツとオランダの裁判所に申し立てを行っている(関連記事)。

 ただしNokiaは今月,「係争中の一連の特許侵害訴訟とは別に,欧州電気通信標準化機構(ETSI)が仲介して成立したライセンス契約に基づいて」(Nokia),UMTS端末で使用するQUALCOMMの一部特許について2007年第2四半期分の使用料2000万ドルを支払った(関連記事)。しかしQUALCOMMは,Nokiaの支払いと契約条件を「一方的」と非難し,受け取りを拒否した(関連記事)。

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