米Googleは4月13日(米国時間),オンライン広告を手掛ける米DoubleClickを保有する非公開投資会社の米Hellman&Friedman LLCから,31億ドルでDoubleClickを買収することで合意したと発表した。Googleによる企業買収としては,YouTube(16憶5000万ドル)を抜いて過去最大規模となる。Hellman&Friedman LLCは2005年7月に,11億ドルでDoubleClickを買収していた。

 DoubleClickは,バナー広告などの「ディスプレイ広告」に強みを持ったインターネット広告事業者。GoogleのCEOであるEric Schmidt氏は「DoubleClickのテクノロジは,主要な広告主や出版社,広告エージェンシーに受け入れられており,(GoogleとDoubleClickが)一緒になることによって,Googleの先進的な技術がディスプレイ広告の分野でも受け入れられるようになる」と述べている。Googleとしては,DoubleClickの持つ顧客基盤を吸収することで,広告市場におけるGoogleの立場を強化する考えだ。

 DoubleClickに関しては,Googleだけでなく米Microsoftも買収を検討していると報じられていた。Googleの背中を追いかける立場にあるMicrosoftとしては,Googleにさらに差をつけられた格好になる。なおGoogleのEric Schmidt氏は4月17日に,米国サンフランシスコの「Web 2.0 Expo」で基調講演を行う。この講演に関しては,ITproでも速報を予定している。