米Microsoftは,OEM版のWindows Vistaに搭載する製品アクティベーション機能を回避して海賊版を利用できるようにする技術が存在することを認めた。同社のシニア・プロダクト・マネージャを務めるAlex Kochis氏が米国時間4月10日,海賊版対策プログラム「Windows Genuine Advantage(WGA)」のブログで明らかにした。

 ブログによれば,OEM版Vistaの製品アクティベーション機能を回避する2種類の方法が見つかっているという。ひとつは,マザーボードをOEM製のものに見せかけるためにBIOSを編集するもの。この方法は,手がかかるとともに,BIOSの編集によってシステムが使えなくなる危険もあるため,海賊版を多数のシステムに流用するのは難しいという。

 もうひとつの方法は,BIOS自体には変更を加えないが,ソフトウエアを使ってOEMアクティベーションに対応するハードウエアで稼動しているとOSに思い込ませるもの。エンド・ユーザーは,後者の方が実行しやすいが,マザーボードのBIOSの一部を直接変更する方法の方が検出されにくいという。

 Kochis氏によれば,Microsoftはまだこの脅威への対策は計画していないという。「我々は,ユーザー,パートナそして製品に脅威を与える不正行為に焦点を当てている。Windowsのハッキングを試みるすべての“マッド・サイエンティスト”を止めることが目的ではない。第1の目標は,組織化された偽造グループのビジネス・モデルを撲滅し,ユーザーが知らぬ間に被害者にならないように保護することである」(同氏)。

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