写真1●ウィルコムは次世代PHSのデモを一般向けに初公開。右側に無線基地局,左側に小型冷蔵庫ほどの無線端末が設置されていた
写真1●ウィルコムは次世代PHSのデモを一般向けに初公開。右側に無線基地局,左側に小型冷蔵庫ほどの無線端末が設置されていた
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写真2●実効速度は最大で下り約21Mビット/秒を記録していた
写真2●実効速度は最大で下り約21Mビット/秒を記録していた
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 4月12日と13日の2日間にわたって東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催されている「WILLCOM FORUM & EXPO 2007」で,ウィルコムは次世代PHSのデモンストレーションを一般向けに初公開した。

 ウィルコムは,会場内に無線基地局と無線端末を設置。実際に電波を使ってハイビジョン映像を送信して見せるというデモを実施した(写真1)。実効速度は,最大で下り約21Mビット/秒。映像データは受信側のパソコンでいったんキャッシュされていたものの,問題なくハイビジョン映像を映し出していた(写真2)。また,デモに使用していた無線端末は小型冷蔵庫ほどの大きさがあったが,ウィルコムの説明員によると「(実用化に際しては)現在のPHSデータ・カード程度の大きさにする見込み」だという。

 今回のデモで使用した周波数は2.5GHz帯。総務省に実験局免許を申請して無線基地局を設置した。周波数幅は20MHzである。ただし現在,2.5GHz帯の周波数割り当て議論において,1事業者当たりの割り当て周波数幅は決まっておらず(関連記事),仮に10MHz幅となった場合には,「今回のデモの方式では伝送速度は10Mビット/秒となる」(説明員)。

 次世代PHSとは,ウィルコムが周波数の割り当てを希望している2.5GHz帯を利用した無線ブロードバンド・システム。同じ2.5GHz帯を利用して商用化を目指している他のシステムとしては,モバイルWiMAXやIEEE 802.20などがある。