米McAfeeは米国時間4月11日,同社の研究機関「Avert Labs」が半年に1度発行するセキュリティ研究ジャーナル『Sage』の第2号を公開した。Segaは,セキュリティ専門家が今後5年間に直面すると予想される脅威やセキュリティ問題について分析している。McAfeeのWebサイト「Threat Center」からダウンロードできる。新刊号では,米MicrosoftのWindows Vistaのセキュリティやスパイウエアなどの問題のほか,携帯電話のセキュリティやデータ漏えいなどの話題を扱っている。

 Sageによると,現在のサイバー犯罪は,おもにパソコンユーザーをターゲットにしているが,VoIP(Voice over IP)やRFID(無線ICタグ)といった技術が普及するにつれて,ターゲットが多様化すると予測しており,とくにスパイウエアはBluetoothやRFIDなどの新しい技術を使って入り込んでくる可能性が大きいとしている。また,一般的に現行の携帯電話サービスは安全だと考えられているが,技術の多様化に伴って携帯電話に対する攻撃が急増していると指摘している。

 Vistaについては,Microsoftがより安全にしようと対策を講じているが,これらの改良点がサードパーティの取り組みを弱化させる要因となっているという。そのほかにも,企業の評判に大きな影響を与える可能性がある新しいセキュリティの脅威として,データ漏えいを挙げている。現在,有効なデータ漏えいの防御策としてドライブの暗号化技術が採用されているが,今後5年間で企業における基本的なデータ漏えい対策とディスクの暗号化が定着すると予想している。

 Avert Labsのシニア副社長を務めるJeff Green氏は,次のように述べている。「セキュリティ担当者とマルウエアの作者間の絶え間ない争いは,いわば軍拡競争だ。セキュリティの専門家がどんなに早く新しい防御策を考えても,悪者たちも同じように進歩している。Sageは,専門家に注意すべき点や将来的な計画における留意点などの情報を提供するものである」。

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