トヨタ自動車は4月10日、ネットワーク経由で各種の情報を自動車に提供するテレマティクス・サービスの新版「G-BOOK mX」を5月に開始すると発表した。最新の地図データをリアルタイムに入手できるのが特徴である。高速道路や有料道路は、新規に開通してから約7日後に更新されるという。データは、専用の車載通信端末「DCM」(KDDIの携帯通信機能を利用)または携帯電話を使ってダウンロードする。G-BOOK mXは、2002年にスタートした「G-BOOK」から数えて3代目に当たる。
高機能なカーナビゲーション・システムとして動作する。今回の新版では、トヨタが独自に作成した道路の渋滞情報を受信し、それに合わせた最短ルートを表示する機能を付加した。独自の渋滞情報は、G-BOOK mXを搭載する他の自動車が発信する時刻データや位置データを収集して生成する。急な工事などで渋滞した道路など、従来のVICSではカバーしきれなかった情報を集め、渋滞を避けやすくする。ただし、同様のサービスは本田技研工業や日産自動車も提供済み。G-BOOK mXの特徴は、DCMを使う場合に走行10mという短い間隔で渋滞情報を収集できるため、よりリアルタイムに近い情報を提供できることだという。
このほか、短距離通信方式のBluetoothに対応する携帯電話や携帯型オーディオ機器と接続して、それらに記録されている音楽をカーナビで視聴する機能や、一時停止の存在を通知する機能(東名阪など大都市から順次対応)なども付加した。
G-BOOK mXの使用料は携帯電話を使う場合、パケット代をユーザーが負担する以外は無料である。DCMを使う場合(KDDIの携帯通信機能を利用)、パケット通信は使いたい放題で、年間1万2000円である。