日本ヒューレット・パッカードは,RISC/Itanium2向けのUNIX互換OSの新版「HP-UX 11i v3」を,2007年4月13日に販売開始する。処理性能の向上や仮想化機能の強化などを施した。価格は,1CPU(コア)あたり16万9000円から。

 HP-UXは,同社のRISC UNIX機向けのUNIX互換OS。Itanium2搭載ブレード・サーバーや巨大SMP機のIntegrity Superdome(HP 9000 Superdome)など,PA-RISCまたはPA-RISC後継CPUであるItanium2を搭載したコンピュータ上で稼働する。

 新版の処理性能は従来版より約30%向上させたという。新版OSを用いたTPC-Cベンチマーク試験では,2007年2月27日(米国時間)に,Oracle Database 10g R2とSuperdome(64プロセッサ)の組み合わせで409万2799トランザクション/分の世界最高を記録した。価格性能比は2.93米ドル。いずれも,米IBMのUNIX環境(System p5,POWER 5+,AIX,DB2)に極めて近い水準ながら,記録としては抜いている。

 新版ではまた,仮想化機能を強化した。具体的には,巨大SMPサーバー機などが備えるハードウエア・パーティショニング機能と連携し,パーティショニングの最小構成単位であるセル・ボードをOSを稼働させたまま抜き差しできるようにした。また,仮想化ソフトを用いたソフトウエア・パーティショニング時においては,パーティション間でのメモリーの動的配分などが可能になった。