まつもとゆきひろ氏
まつもとゆきひろ氏
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松江市長 松浦正敬氏
松江市長 松浦正敬氏
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審査委員 安田浩氏
審査委員 安田浩氏
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 「プログラミングでは,どのような気分で仕事ができるかといった感性が生産性に直結する。それがRubyが受け入れらた理由」---2007年4月6日,2007年日経BP技術賞の表彰式が行われた。大賞を受賞したまつもとゆきひろ氏や,Rubyによる地域振興を進める松江市の松浦正敬市長,審査委員の安田浩氏らがスピーチを行った。

 まつもとゆきひろ氏は「プログラミングにおいては,プログラマがどのような気分で仕事ができるかといった感性が生産性に直結する」と語り,Rubyをプログラマの感性に基づき快適にプログラムを書けるようにデザインしたことで,受け入れられたと語った(詳細記事【日経BP技術賞】「Rubyが評価されたのは,技術や機能ではなく“感性”」,大賞受賞のまつもと氏語る

 まつもと氏が在住する島根県の松江市では,Rubyを地域資源として産業振興を図る「Ruby City Matsueプロジェクト」を進めている。来賓として登壇した松江市の松浦正敬市長は,「江戸時代,松江藩の藩政改革や産業振興を行った松平不昧公は茶道を奨励し,そのことが茶菓子や衣装などの波及効果を生んだ。同様に,Ruby City Matsueプロジェクトによる情報発信や交流が地域の産業へ波及することを期待している」と,Rubyによる地域振興への期待を語った(関連記事「オンリーワンが人の心に火をつける」---松江市長 松浦正敬氏がRuby City Matsueプロジェクトを語る )。

 情報通信部門の審査委員長である安田浩氏は「まつもと氏はRubyで新しく発明した機能はないと謙遜するが,イノベーションは単に発明することではない。ユーザーの元へ届かなければイノベーションにならない。Rubyが優れた機能をユーザーの手に届くものにした功績は大きい」と講評した(関連記事 画像処理技術に革命もたらした東大安田浩教授の最終講義)。