米VeriSignは,トップ・レベル・ドメイン(TLD)「.com」および「.net」のドメイン名登録料を2007年10月15日に値上げする。VeriSignが米国時間4月5日に明らかにしたもの。値上げ後の登録料は「.com」が6.42ドル(現在は6.00ドル),「.net」が3.85ドル(同3.50ドル)。

 VeriSignは,1999年より両ドメインのレジストリ業務を担当し,ドメイン名をIPアドレスに変換するDNSサーバーを運用してきた。ドメイン名やIPアドレスの管理を行っている非営利組織Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)と結んだ契約にもとづき,VeriSignが2012年までレジストリ業務を継続する。この契約では,登録料の値上げを認めていた(関連記事その1その2)。VeriSignにとって,これが初めての登録料値上げとなる。

 なお,DNSサーバーに対する問い合わせが急増しており,2000年において1日当たり平均10億件だった問い合わせ件数は,現在300億件弱になったという。サイバー攻撃も増加していることから,VeriSignは2010年までにインターネット・インフラの処理能力を10倍に拡大する3年計画「Project Titan」を発表した。同計画の主な内容は以下の通り。

  • DNS問い合わせ処理能力を1日当たり4兆件以上に増やす(現在は4000億件)
  • 世界各地の主要DNSセンターの通信帯域幅を200Gbps以上に増強する(現在は20Gbps以上)
  • DNSサーバー拠点を100カ所以上に増やす(現在は20カ所)

 米メディア(InfoWorld)によると,2006年末時点の「.com」「.net」ドメイン数は6500万件で,毎月平均210万件のペースで増えており,VeriSignは登録料値上げで少なくとも2270万ドルの増収が見込めるという。

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