AFP通信が配信するニュースをブログ上にそのまま転載できる(赤枠の部分)
AFP通信が配信するニュースをブログ上にそのまま転載できる(赤枠の部分)
[画像のクリックで拡大表示]

 フランスの通信社であるAFP通信は2007年4月4日、同日から新サービスを開始すると発表した。新しいサービスとは、同社のニュース配信サイト「AFP BB News」の記事コンテンツを、同社と提携したブログサービスで無料引用できるようにするというもの。提携会社のブログサービスを利用するユーザーが、自身のブログ内で記事を引用できるようになる。同様のサービスはAFP BB Newsサイトでも提供していたが、ほかの事業者にまで対象を広げた形だ。ヤフーやシックス・アパートなどブログ運営事業者12社が対応を表明している。

 ユーザーが自身のブログに記事を引用するには、AFP BB Newsサイトにアクセスして、対象記事のページにある提携先のロゴをクリックする。記事を掲載したブログの情報は、AFP BB Newsサイトにトラックバックされ、関連ブログへのアクセスを容易にしている。無断転用を防止するため、記事コンテンツそのものは利用者のパソコンには保管されない。また、記事を転載したブログのURL情報も管理するという。

 今回、サービス提携を発表した各社は「ブログの新しい価値を生み出す」(ジャストシステム)と歓迎の意向を示す。AFP通信としては、転載記事に広告を掲載することで、収入を得られるようになるという。同社は、既存の配信事業を継続しつつも「本サービスは新しい挑戦の一つ」と非常に意欲的だ。

 もともとブログは、ニュースやトピックに対して自身の意見を述べるメディアとして発展した。しかし、著作権の問題があり、国内では記事の引用や転載が難しい。そのため、現在の国内ブログは、身の回りの出来事などを時系列で記述するだけの“日記”ページとしての側面が強い。今回発表したAFP通信の新サービスが、こうした国内のブログ事情にどの程度まで影響を与えるのか、注目される。