通信関連メーカーのフジクラ、中国ファーウェイ・テクノロジーズの日本法人である華為技術日本、通信工事のコミューチュアの3社は、次世代の高速無線技術「WiMAX」のCATVサービスへの導入に向けて協業する。その受け皿として4月2日、3社で「ブロードバンドワイヤレスアクセス推進共同事業体(BWAC)」を立ち上げた。

 BWACはフジクラを中心に協業し、CATV事業者がWiMAXサービスに取り組む際の制度対応や技術選定、サービス構築や運用管理面で支援するビジネスを展開していく。具体的には、WiMAXの導入に前向きなCATV事業者が4月19日に設立予定の団体、「ケーブルテレビ無線利用促進協議会」に加盟する約150社をターゲットとする。

 フジクラは「無線局の取得手続きや無線技術者の派遣、設備の構築や保守まで、WiMAXのサービス導入・運用にかかわる業務をワンストップで提供する」(光機器・システム事業部の中川三紀夫ワイヤレスシステム推進プロジェクト長)と狙いを説明する。3社の役割は、フジクラがWiMAXの設備やサービスの設計・構築、華為技術日本がWiMAX対応の通信機器やアンテナなどの納入、コミューチュアが通信関連の工事、としている。

 ケーブルテレビ無線利用促進協議会に加盟するCATV事業者は「デジタル・デバイドの解消」を軸に、WiMAXの電波を利用するために必要な免許の取得を総務省に呼びかけていく考え。現在のところ、福井県の「嶺南ケーブルネットワーク」、岐阜県の「飛騨ケーブルテレビ」の設備を利用したWiMAXの実験が行われている。WiMAXは最大伝送距離が数キロ・メートルと長いうえ、条件が良ければ最大数十Mビット/秒の通信が可能。基地局と固定的につなぐ方式のほか、携帯電話のように移動しながら使う方式がある。