米AT&Tは米国時間4月1日,イタリア通信大手Telecom Italiaの経営権取得に向け,間接的出資の交渉中であることを明らかにした。交渉の内容は,AT&TとメキシコのAmerica Movilが,Telecom Italiaの筆頭株主であるOlimpiaの株式をそれぞれ3分の1買い取るというもの。OlimpiaはTelecom Italiaの普通株の約18%を保有している。

 Olimpia株の買取価格は,Telecom Italia株を1株2.82ユーロとし,取引日時点でのOlimpiaの負債総額を差し引いた額で評価する。

 AT&Tによると,Telecom Italiaの時価総額は約400億ユーロ(約534億ドル)にのぼる。オランダ,フランス,ドイツなどで展開しているサービスの規模は,地上電話回線が2400万件,携帯電話契約が5790万件,ブロードバンド接続が860万件に及ぶという。

 AT&Tは従来の電話回線加入者が減少する中,世界市場での事業拡大を図りたい考え。同社広報担当のMichael Coe氏は,「当社には,欧州をはじめとする主要地域で強力な資産と関係が必要だ」と述べている(米メディア)。

[発表資料へ]