NTTドコモが3月31日に携帯電話の番号ポータビリティ(MNP)を停止した引き金は、MNPのシステム本体ではなく、既存ユーザーのポイント交換であることが分かった。同日19時40分からMNPの受付を終日停止。同社とKDDI、ソフトバンクモバイルそれぞれの間で、サービスの転入と転出の手続きができなくなった。

 NTTドコモ広報部は「週末に年度末が重なり処理量が増えているところに、失効するポイントを携帯電話などに交換する顧客のアクセスが急増した。これらの要因で、18時頃から一部の顧客管理システムの処理が追いつかなくなった」と説明する。NTTドコモのポイント・サービスは利用度合いに応じて自動的に加算される。年度末の3月末で、3年間を経過したポイントが失効する制度となっている。

 この顧客管理システムは、MNPのシステムも連携しているため、MNPを申し込んだ顧客の事務処理に遅延が発生。「他の携帯電話事業者と協議した上で、当社のMNPの手続きを停止する措置を採った」(NTTドコモ広報部)。

 NTTドコモが原因を調べた結果、想定の2倍のトランザクションが集中していたことが判明。「処理能力を低く見積もっていた」(同)として、サーバーの増強などで処理能力を4倍に拡張したという。翌4月1日の午前から、MNPの手続きは通常通り稼働している。

 なお、KDDIやソフトバンクモバイルは「年度末と年度初めについて、MNPのシステムを停止することはなかった」という。