SAPジャパンは3月30日、独本社が米マイクロソフトと共同開発していた「Duet(開発コード名Mendocino)」の出荷を開始した。ただし、「SAPジャパン製品の既存ユーザーであること」「導入の支援体制が十分に整っていること」といった条件を満たす顧客のみに提供する条件付きの出荷で、正式な出荷は6~7月を予定している。

 Duetは、SAP製品のフロント画面として、マイクロソフトの「Office」や「Excel」を利用できるようにするためのソフト。「Duet Server」を中心に、クライアントやSAPのアプリケーションへのアドオン・ソフト、Duetの利用パターンを記述した「シナリオ」などで構成する。

 エンドユーザーは、「予算・実績管理」「休暇申請」など事前に提供されるシナリオに沿って、Duetを利用する。例えば、休暇申請の場合、エンドユーザーがOutlookに休暇申請を入力すると、SAPの人事管理アプリケーションから休暇申請に必要な情報を取得してOutlookの画面に表示する。

 Duetは米国などの英語圏では、昨年から出荷されている。SAPジャパンも当初、「昨年中に日本で出荷を開始する」と公表していた。だが、「多言語対応用の『Value Pack』の投入が遅れた」(SAPジャパン)ことから、昨年中の出荷を断念し、07年第1四半期(1~3月)に発売するとしていた。今回、条件付きながら出荷したことで、2度目の発売延期を免れた格好だ。

 Duetの日本での価格は公表されていない。「米国では200~500人に導入した場合のライセンス費用は500万~700万円程度」(SAPジャパン)で販売されている。導入にかかる期間は「2~3カ月程度」(同)。予算・実績管理を中心に、米国ではこれまでに100社が導入しているという。