Free Software Foundation(FSF)は米国時間3月28日,ソフトウエア・ライセンスGeneral Public License(GPL)の新版「GPL version 3(v3)」の草案第3版を公開した。FSFが同日明らかにしたもの。草案第3版はFSFのWebサイトから入手できる。

 2006年7月に公開された第2版(関連記事)からの主な変更点は以下の通り。

  • 消費者向け製品にGPLv3ソフトウエアを搭載するメーカーは,ソースコードとともにインストレーション情報(ソフトウエアの書換えを禁止しているような機器で,修正版のソフトウエアをインストールする時に必要な鍵など)を提供しなければならない。

    【訂正】掲載当初「知的財産に関する情報を提供しなければならない」としておりましたが誤りで,正しくは「インストレーション情報を提供しなけれならない」でした。お詫びして訂正いたします。[2007年3月30日]

  • GPLv3ライセンスに違反しても,そのライセンシーにとって初めての違反なら,30日以内に違反部分を修正すればライセンスは自動的に復活する

     さらに,ディストリビュータが特許所有者と共謀して差別的な特許保護策をとれないようにするため,特許関連の新たな条件を追加した。ライセンスの互換性に関する条件の簡素化も図った。

     第3版を公開するにあたり,FSF会長のRichard Stallman氏は以下のように述べている。

    「GPLは,プログラムのあらゆるユーザーに,フリー・ソフトウエアの条件である必要不可欠な4つの自由を享受してもらえるよう策定した。これらの自由のおかげで,我々はプログラムを好きなように動かし,目的に応じて解析/改良し,周囲の人のためにコピーを再配布し,改良版を公開できる。米Microsoftと米Novellが先ごろ結んだ特許提携は,この自由の土台を壊そうとするものだ。草案第3版では,フリー・ソフトウエアがこうした提携契約で台無しにされないよう,重点的に対策した」

     FSFは,GPLv3第3版に対するコメントを60日間受け付ける。その後,草案の最終版を公開して30日間のコメント受け付けを実施して,FSF役員会が正式版を承認する予定。

     なお,FSFがGPLv3の草案第1版を2006年1月に公開して以来,Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏が内容を批判しているほか(関連記事その1その2),Linuxカーネル・プログラマの多くも批判的な立場をとっている(関連記事)。こうした状況に対し,Stallman氏はオープンソース・ソフトウエアとフリー・ソフトウエアの相違などを挙げ,目的が異なると述べた(関連記事

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