PLCアダプターに内蔵の簡易速度テストによるデータ転送速度の測定結果
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接続の安定性は、7割超が満足
接続の安定性は、7割超が満足
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過半数は「問題なし」だが、何らかの問題点を感じた人も4割
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事前の周知もあり、他の機器による影響を訴えた人はわずか
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モニターへの応募理由
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今回のモニター調査の概要
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 ケイ・オプティコムは2007年3月28日、同社インターネット接続会員を対象に同年1~3月に実施した電力線通信(PLC)アダプターのモニター提供について、利用者からのアンケート結果を公表した。それによると、PLCに対する満足度は「大変満足している」が20%、「満足している」が61%。おおむね好評だったことが分かった。

 PLCを経由してインターネット接続できたモニターは97%。PLCアダプターの簡易速度テスト結果によると、データ転送速度が30Mbps以上だったユーザーが40%、10M~30Mbpsが43%、10Mbps以下が12%。データ通信の安定性については、「安定していた」が71%に上り、「少し不安定」の24%、「不安定だった」の2%を大きく上回った。

 家電製品がPLCに影響を及ぼしたのかという問いに対しては、「なかった」が43%、「分からなかった」が51%、「あった」が4%と、比較的影響が少ないという結果が出た。また、PLC使用に関する問題点の有無は「問題なし」の59%に対し、「少し問題があった」が33%、「大きな問題があった」が7%。具体的な問題点としては、「思ったほど速度が出なかった」「思った場所で使えなかった」などが挙がった。

 使用後の印象は、(1)「大変満足」「満足」が計81%、(2)家庭内のLAN環境改善に「大変役立った」「役立った」が計79%、(3)「ぜひ利用したい」「利用したい」が計87%となり、いずれも高い評価を得ている。

 今回のモニター調査では、2006年11月にモニター利用者を募集。約3万件の応募者から200件を選び、2007年1~3月にかけて、PLCアダプターを約3週間貸し出した。アンケートの回答数は178件である。モニターへの応募理由は、75%が「PLCを試してみたかった」、34%が「無線LANで満足できなかったから」、29%が「簡単そうだったから」、19%が「有線LANを引けないから」。PLCへ強い関心を持っているユーザーが応募したことがうかがえる。

 ケイ・オプティコムは、PLCアダプターをテーブルタップでなく壁のコンセントに直接挿すことや、ノイズ源となるACアダプターなどの機器はノイズ除去フィルター内蔵のテーブルタップに挿すことなどをユーザーに周知したうえで、機器を貸し出した。実際、モニターの81%が「PLCアダプターを壁コンセントに直接つないだ」と回答。「分岐コンセントにつないだ」は10%、「テーブルタップで延長してつないだ」は8%だった。

 モニター調査に使用した機器は、松下電器産業の卓上型PLCアダプター「BL-PA100KT」と松下電工のテーブルタップ一体型PLCアダプター各100セット。いずれも松下電器産業が推進する「HD-PLC」方式のPLCアダプターである。仕様上の最大通信速度は、通信手順にTCPを用いた場合は55Mbps、UDPを用いた場合は80Mbps。

 この結果を受け、ケイ・オプティコムは同社の光ファイバーによるインターネット接続サービスの会員を対象に、PLCアダプターのレンタルを4月2日に始める。価格は、親機・子機各1台のセットで月額500円。追加の子機1台ごとに月額250円である。併せて、無線LANルーターのレンタルも月額500円で開始する。家庭内の複数の場所でインターネット接続可能な環境を整備できるようにするほか、インターネット接続に関する不満の1つである「初期設定の手間」を軽減することを狙う。