KDDIは3月28日,機器に携帯電話による通信機能を組み込むための通信モジュールを3機種発表した。4月2日から販売する。全機種にGPS(全地球測位システム)による位置測位機能を搭載したのが特徴。通信モジュールのGPS対応は国内初となる。位置情報が必要な機器への組み込みなど,新たな用途での使用も期待できる。また,下り最大伝送速度が2.4Mビット/秒となるCDMA 1X WINに対応した製品も新たにラインアップに加えた。
CDMA 1X WIN対応の通信モジュール「KCMV-200」(写真1)は京セラ製。外部インタフェースにはUSBを採用した。カーナビへの地図データ配信や工作機械などのへのデータ配信など,大容量のデータ通信が必要な用途を想定する。
あとの2機種は,CDMA 1X対応である。京セラ製の「KCMX-100」はKCMV-200と同サイズで外部インタフェースはシリアル。もう1機種のCDMA 1X対応通信モジュールはセイコーインスツル製の「WM-M200」(写真2)で,従来モデルに比べて約26%軽量化したのが特徴。ハンディターミナルなどのへの組み込み用途を想定する。いずれの機種も送出データをTCP/UDPに変換するプロトコル変換機能を備える。価格は数量によって異なる。
通信モジュールは,現在加入数の伸びが鈍化している携帯電話市場のなかにあって,今後の伸びが期待される製品。NTTドコモも通信モジュールの事業に力を入れており,全国約60万台のたばこ自動販売機にFOMA対応通信モジュールを順次搭載する事例も登場した(関連記事)。KDDIは,通信モジュールにGPSなどの機能を加えることで,新たな大口ユーザーの獲得を目指す。
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