インドの大手ITベンダーであるウィプロの日本法人は3月28日、同月18日付けの社長人事を発表した。代表取締役社長の長尾正樹氏が退任し、昨年11月まで日本BEAシステムズで代表取締役を務めたアリイ・ヒロシ氏が後任となる。アリイ氏は日本法人社長に加え、本社の日本・中国オフィス代表も兼任する。

 アリイ氏は17歳まで日本で過ごした後、渡米。本田技研工業の米子会社でセールスやマーケティング、エンジニアリング、ローカライゼーション、品質管理、アジア太平洋地域でのビジネス戦略策定などの業務に従事。その後、日本BEAに入社して04年12月から代表取締役を務めた。

 ウィプロ本社で日本向けビジネスを統括するラクシュマン・ラオCOO(最高執行責任者)は「グローバルなビジネス環境で磨かれたアリイ氏のセールス、戦略、オペレーションの経験は、ウィプロ日本法人を更なる成功へ導き、(印大手ITベンダーのトップを保持するだけでなく)日本(のITベンダー)におけるトップの座を確立してくれるものだろう」とコメントしている。

 本誌の調べでは、ウィプロ日本法人の06年度(3月期)の売上高は106億円で、印大手ITベンダー5社の日本拠点の中でトップ。今年1月時点で07年の計画を売上高137億円(前年同期比30%増)としていたが、社長交代でこれを上方修正する可能性もある。