セブン&アイ・ホールディングスは2007年3月27日、セブン-イレブンを中心に利用できる独自の電子マネー「nanaco(ナナコ)」のサービスを始めると発表した。サービスの提供は2007年4月23日から。東京都内のセブン-イレブン約1500店舗で開始する。
2007年5月28日には、全国のセブン-イレブンで同サービスを始める。2007年秋以降、イトーヨーカドーやデニーズなどのグループ各店舗、ガソリンスタンドなどのグループ外店舗でも同サービスを提供することを計画している。
nanacoのサービスを利用するには、2種類の方法がある。一つは、店舗で発行する非接触ICチップを搭載した「nanaco カード」を使う方法。もう一つは、おサイフケータイで専用アプリをダウンロードする方法だ。
入会には会員情報の登録が必要。店舗でカードを発行する場合、300円の発行手数料がかかる。登録が終われば、店舗にあるICカードリーダー・ライター一体型のPOSレジスターにカードや携帯電話をかざすだけで決済が済む。
カード、携帯電話ともに、店舗にあるPOSレジスターを使って現金でチャージする。チャージは1000円単位で、残高上限額は3万円未満。決済額が足りなくても、決済時にその場ですぐにチャージできる。2007年秋にはセブン-イレブン内などに設置しているATMをnanaco対応の新型に置き換え、チャージできるようにする。
決済を済ませると、100円ごとに1ポイントが付与される。1ポイントは1円分のnanacoに交換できる。ただし、交換手数料として交換額の1%が引かれる。サービス開始段階では、クレジットカードと連携したチャージや後払いには対応しない。
ICカードリーダー・ライター一体型のPOSレジスターは、機能的にはSuicaやEdyといったnanaco以外の電子マネーの読み書きも可能だという。同社の最高財務責任者である氏家忠彦氏によると「囲い込みではなく、他の方式との連携を考えている」としている。
nanacoという名前の由来は、セブン&アイ・ホールディングスの「セブン=ナナ」と、コインのように使える気軽さから来ている。nanaco カードにデザインされたキリンのキャラクターの名は「ナナコ」。体に7色の模様がある。