セイコーエプソン生産技術開発本部長の碓井稔氏
セイコーエプソン生産技術開発本部長の碓井稔氏
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上の写真は従来のプリンターヘッドと新技術のプリンターヘッドのノズル間隔を比較したもの。下の写真はインク室の幅を比較したもの。いずれも半分程度になっている
上の写真は従来のプリンターヘッドと新技術のプリンターヘッドのノズル間隔を比較したもの。下の写真はインク室の幅を比較したもの。いずれも半分程度になっている
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 セイコーエプソンは2007年3月27日、インクジェットプリンターに搭載するプリンターヘッドの新技術を発表した(発表資料)。新技術では、インクを吐出するノズルの密度を従来の2倍に高めることで、印刷速度を従来の2倍に高速化したり、プリンターを小型化したりできる。2007年4月より量産を開始する予定だ。

 セイコーエプソンのプリンターは、「マイクロピエゾヘッド」と呼ぶヘッドを使っている。これは、「ピエゾ」と呼ぶ圧電素子に電圧を加えて曲げることで、ノズルからインクを吐出させる方法。今回開発した技術では、ピエゾの材質などを改良し、厚みに対する歪み量を従来の0.1%程度から0.4%程度に向上。ピエゾを小型化することによって、ノズルの配置密度を従来の180dpiから2倍の360dpiに高めた。これにより、印刷速度を従来の2倍に高速化できる。また、従来と同じ速度をより小型のプリンターヘッドで実現できる。

 セイコーエプソンの生産技術開発本部長の碓井稔氏は、新技術を採用したプリンターヘッドについて、「印刷速度や高い生産性が求められる分野のプリンターから搭載する予定」と説明。まずは産業用の印刷機などに採用され、順次コンシューマ向け機器にも広がっていくものと見られる。