左から、伊勢丹の武藤信一社長、東京急行電鉄の越村敏昭社長、東急百貨店の水田寛和社長
左から、伊勢丹の武藤信一社長、東京急行電鉄の越村敏昭社長、東急百貨店の水田寛和社長
[画像のクリックで拡大表示]

 伊勢丹と東急百貨店、東急百貨店の親会社である東京急行電鉄の3社は3月27日、伊勢丹と東急百貨店が業務提携をすることで合意し、基本合意書を締結したと発表した。東急百貨店が伊勢丹の商品情報管理システムなどを利用するほか、業務プロセスなども“伊勢丹流”にそろえる。東急電鉄の越村敏昭代表取締役社長(写真中央)は記者会見で、「人材や営業ノウハウを吸収し、なるべく早く成果を出して顧客満足度を向上させたい」と、今後の取り組みを説明した。

 東急百貨店が利用するのは、伊勢丹の商品情報管理システムや顧客情報管理システムなど。「数年以内に共同利用を開始する」(伊勢丹の武藤信一代表取締役社長、写真左)。伊勢丹にとっても、「情報システムは、顧客の要望をいかに早く取り込んでいくか、つまりバージョンアップが必要になる。共同利用すれば、コストを抑えることができる」(伊勢丹の武藤社長)というメリットがある。また、複数の百貨店なら集まる要望も多いため、それだけ的確な機能強化に結びつきやすいのも利点である。

 すでに岩田屋が伊勢丹の情報システムを共同利用しているほか、今年10月に名鉄百貨店も利用を予定している。ただ、「情報システムを共同利用するということは、業務プロセスも変更する必要がある。難易度が高い取り組みだ」(伊勢丹の武藤社長)。

 東急電鉄は、2008年6月に地下鉄「副都心線」が開通することで渋谷周辺の競争が激化すること、東急グループとしてリテール分野での収益向上を目指していることから、伊勢丹との提携を決めた。東急百貨店の水田寛和代表取締役社長(写真右)は、「これまで強化してきた営業力を、この提携でさらに強化したい」とコメントした。