アシストの社内
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OpenOffice.orgの利用
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OpenOffice.org Impressでプレゼンテーション資料を作成しているところ。Webブラウザは社内のOpenOffice.orgのノウハウ掲載サイト「かもめ塾」
OpenOffice.org Impressでプレゼンテーション資料を作成しているところ。Webブラウザは社内のOpenOffice.orgのノウハウ掲載サイト「かもめ塾」
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オープンソース事業推進室長 神谷昌直氏
オープンソース事業推進室長 神谷昌直氏
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社内SNSもオープンソースのOpenPNEを利用して構築した。現在約500名が登録している
社内SNSもオープンソースのOpenPNEを利用して構築した。現在約500名が登録している
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 「Microsoft OfficeからOpenOffice.orgへの移行にあたって問題になったのは,社外とのデータ交換,既存業務との連携,マクロ」---アシストは同社内の標準オフィス・ソフトをMicrosoft Officeから,オープンソースのOpenOffice.orgへ全面移行した(関連記事)。通常業務用パソコン約700台からは,Microsoft Officeをアンインストールし完全に削除したという。

 アシスト サービス事業部 eラーニング担当課長 池田秀和氏は顧客へのプレゼンテーションをOpenOffice.orgのImpressで作成した。「慣れればOpenOffice.orgに使いにくさは感じない。社内のOpenOffice.org情報サイト『かもめ塾』にいい素材があるので,プレゼンテーション資料の制作はかえって楽なくらい」と話す。

 だが,OpenOffice.orgへの移行にあたっては冒頭で挙げたような障害もあった。アシストはこれらの問題をどう解決したのか。

「ユーザーを支援できるよう率先して使う」

 アシストがOpenOffice.orgへ移行したきっかけは,オープンソース・ソフトウエアの事業化を目的とした調査だった。「オープンソースは必須となる時代となり,お客様のIT化を支援するために我々もオープンソースを理解し使いこなさなければならない」(オープンソース事業推進室長 神谷昌直氏)。

 その中で,アシストは「使用料を払う必要のない」(代表取締役社長 ビル・トッテン氏)OpenOffice.orgへの移行を行う方針を決める。「利益を独占するための知的所有権の行使には以前から私は反対だった。そして世の中が大きく変化し,従来一つの企業または個人が独占的に所有してきた知的財産そのものが公開され,共有化されることによりその価値が薄れていく。ソフトウェアの世界においてもそれがオープンソースという形態で将来起きうる」(トッテン氏)とする,同氏の決断だった。

 OpenOffice.orgへの移行は,2段階で実施した。第一段階は2006年10月,テスト的に東京の営業部門に導入した。

 ここで判明したのが,3つの課題だった。

第一段階の導入で浮かんだ3つの課題

 ひとつは,社外とのデータ交換の問題。レイアウトの崩れなどの発生である。

 2つめは,既存業務との連携。アシストでは販売管理や顧客管理システムでMicrosoft Accessをクライアントとし,ダウンロードしたデータをAccessからExcelを呼び出しオープンしていた。

 3つめは,マクロである。アシストでは経理業務などでExcelマクロを利用していたがOpenOffice.orgではそのまま動作しない。