IIJは3月27日,ルーターの設定を自動配信する運用管理サービス「IIJ SMF sxサービス」の機能拡充を発表した。ユーザーに提供するWebベースの管理画面を権限別に作成するカスタマイズ機能などを追加。これまで同社製の「SEIL」ルーターだけだった管理対象についても,IIJのライセンス供与を受けた他社製ルーターにまで拡大する。提供開始は3月29日。
今回の機能拡充は,サポート対象の拡大と管理画面の強化の大きく二つある。
サポート対象の拡大は,センチュリー・システムズの小型ルーター「CS-SEIL-510」を管理対象に含められるようにしたこと。CS-SEIL-510はIIJのSEILルーターのソフトウエアのライセンス供与を受けたものだが,これまでIIJ SMF sxサービスの中に組み入れられなかった。
一方の管理画面の強化は,管理者権限のレベルに応じて設定可能な範囲を3段階に切り替えられる機能を追加したこと。「ユーザー企業のシステム部門用」「拠点の運用責任者用」「インテグレータ用」といった立場別の管理画面を作成できるようにした。このほか,管理対象ルーターごとのトラフィックを24時間または30日単位で一覧表示する機能や,SEILが備えるリモート・アクセス・サーバー機能と連携するRADIUSサーバーのアドレスを設定する機能を追加した。
IIJ SMF sxサービスは,IIJのSEILルーターを,IIJが用意する管理サーバーで集中制御する運用管理サービス。IIJが用意する管理画面を使って,インテグレータやユーザー企業がIPアドレスやVPN(仮想閉域網)など各種ネットワーク設定をあらかじめ管理サーバーに登録しておくと,各拠点に設置したSEILルーターがネットワークに接続したときにサーバーから設定ファイルを自動的に取得し,設定が完了する(写真)。例えばルーターの故障の際,ネットワークの知識がないユーザーであってもルーターを交換するだけで復旧できる。IIJによると,現在「220社,9000拠点の利用実績がある」(SEIL事業部事業推進課の林賢一郎課長)という。
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