ソフトバンクモバイルの子会社で、ソフトバンクモバイル向けのWebサイトの構築・運用を手がけるジャパン・モバイル・コミュニケーションズは2007年中に、一般企業に対して携帯電話向けWebサイトをSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)形式で提供する。これまで自社で開発した、芸能情報や毎日更新の占い情報を提供するWebサイト「とくする情報局」や、深夜に自動で女性向け雑誌のコンテンツなどを配信する「S!キャスト」のシステムの構築ノウハウを生かす。

 新サービスの顧客は、ジャパン・モバイル・コミュニケーションズから提供される機能ごとのコンポーネントを組み合わせるような形で、自社の携帯向けWebサイトを構築できる。「売り上げの7割を親会社のソフトバンクモバイルに依存していたが、グループ外の企業への販売比率を増やしたい」(神内一郎副社長兼COO)。

 ジャパン・モバイル・コミュニケーションズがSaaS提供を開始した背景には、インフラ部分をソフトバンクテレコムが提供するシステム運用サービス、「ULTINA On Demand Platform」 KeyPlatを採用したことがある。KeyPlatは、データセンター、ブロードバンド回線、各種サーバーの利用料のほか、米オラクル製「Oracle Application Server 10g」と「Oracle Database 10g」のライセンス料金を月額使用料に含めて一括提供するサービス。ピーク負荷への対応などはソフトバンクテレコムが責任を持つ。

 ジャパン・モバイル・コミュニケーションズはKeyPlatを採用することで、アプリケーション開発に注力できるようになり、SaaS分野への進出が可能になった。2月から既存アプリケーションをKeyPlatへ移行し始め、4月中には主要なアプリケーションを移行し終えるという。