EMCジャパンは3月26日、ストレージのセキュリティを強化する新機能と新サービスを発表した。同社のエドワード・ナイハイゼル社長は、「2010年には、1年間で生成・複製されるデータは988エクサ(9880億ギガ)・バイトに達する。しかし、その多くは保護されていない」と指摘する。

 今回発表した新機能は、昨年買収した米RSAセキュリティ(関連記事)の技術を利用した第1弾となる。具体的には認証機能や監査ログ機能で、同社のハイエンド・ストレージ装置「EMC Symmetrix DMX-3」のOSの新版「Enginuity 5772」に搭載する。

 認証機能は、旧RSAの認証技術「RSA SecurID」を用いる。RSA SecurIDは、パスワードだけでなく、ワンタイム・パスワードのように固定されていない情報の二つを利用できる。監査ログ機能は、Symmetrix DMX-3への操作履歴をログとしてすべて記録する。ここで取得するログは、改ざん不可能な形式で保存できる。さらに、オプションで、米国防総省が定めた仕様に則り、複数回、上書きすることで、ポインタ情報だけでなくデータそのものを完全に消去する機能もある。Symmetrix DMX-3の保守契約をしていれば、前版OSの「Enginuity 5771」から無償でバージョンアップできる。

 もう一つの新サービスは、企業内にあるストレージ環境のセキュリティ対策を診断する「ストレージ・セキュリティ・アセスメントサービス」である。診断するのは、機密データ保護の状況や認証とアクセス管理、事業継続性の管理状況などである。価格は300万円から。