日本ケーブルテレビ連盟は3月26日,ケーブルテレビ(CATV)事業者の無線通信の利用促進を狙う「ケーブルテレビ無線利用促進協議会(仮称)」を設立すると発表した。今後詳細を詰め,4月中に正式に設立する。

 この協議会では様々な無線通信の活用を検討する予定だが,当面はWiMAXの事業化に向けた検討を進めるとしている。具体的には,事業者間の情報共有や需要の把握,事例紹介といった事業者のWiMAX利用促進や,CATVネットワークにWiMAX設備を接続するための技術課題の洗い出しや標準化といった技術面の検討を実施。さらに,事業化する上での課題を抽出し,解決策を検討するなどビジネス面の議論もする予定だ。

 正式なメンバー募集は今後実施するが,「既に参加希望の声は多い」(日本ケーブルテレビ連盟)。日本ケーブルテレビ連盟は,協議会の設立とは別に会員のCATV事業者を対象にWiMAXの事業化の意向を聞く「無線活用に関する緊急アンケート調査」を2月と3月に実施しており,同アンケートでは会員事業者366社中191社から回答を得て,そのうち138社がWiMAXの事業化を検討していると回答した。新設する協議会には,この約140社プラスアルファのCATV事業者の参加が見込まれる。また日本ケーブルテレビ連盟は,学識経験者や地方自治体,関連団体にも参加を呼びかけるとしている。

 今後は,ギャップフィラー,23GHz帯無線システム,RFIDシステムといった無線システムの活用も検討する予定だ。ギャップフィラーとは,テレビ放送の電波を再送信して,電波の届きにくい地域や場所の受信特性を改善する装置のこと。WiMAXとギャップフィラーの両方をCATV事業者が利用できるようになれば,電波を使ってテレビ放送とデータ通信サービスを提供できることになる。