米Vonage HoldingsがVoIP技術に関する特許を侵害したとして,米Verizon Communicationsが起こしていた訴訟で,バージニア州東部連邦地方裁判所はVonageに対し,Verizonが主張する特許の使用を禁止するよう命じた。Vonageが米国時間3月23日に明らかにしたもの。

 Verizonは2006年6月,Vonageとその子会社Vonage Americaが7件の特許を侵害したとして提訴(関連記事)。同社が問題とする特許には,パケット交換と回線交換ネットワーク間のゲートウエイ・インタフェース,VoIPネットワークにおけるWi-Fi機器利用の手法,VoIPでのキャッチホンやボイスメール機能などに関するものが含まれていた。のちにVerizonは申し立てを修正し,5件の特許について審議することになった(米CNET News.com)。

 裁判所は2007年3月8日に,VonageがVerizonの3件の特許を侵害したと判断。5800万ドルの損害賠償を支払うようVonageに命じた(関連記事)。

 裁判所は今回Vonageに対し,当該特許を用いた技術の使用差止命令を通告。ただし,2週間以内に猶予措置の申し入れを行う機会を与える。その後,命令を施行するか,猶予措置を認めるかを決定する。

 Vonageは,もし裁判所が猶予措置を退けた場合,上訴する意向だという。「我々の闘いはまだ終わらない。当社はVerizonのいずれの特許も侵害していないと確信している。連邦上訴裁判所で争い続ける姿勢だ。最終的に当社がこの訴訟に勝つだろう」(VonageのCEO,Mike Snyder氏)

 またVonageは,「今回の判決により,顧客へのサービスに支障や追加料金が発生することはない」と付け加えた。

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