写真1●RDX QuickStorカートリッジ
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写真2●RDX QuickStor
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 テープ媒体/装置などを手がけるタンベルグデータは,着脱可能なハードディスクを用いたデータ・バックアップ・カートリッジ「RDX QuickStor」の本格販売に乗り出す。DDSテープのリプレースが狙い。同製品は米DELLへのOEM供給に加え2006年11月からは自社ブランドでの出荷実績があるが,2007年4月に予定する最大容量160Gバイトのディスク・カートリッジの出荷に合わせ,販売キャンペーンを開始する。開発会社はノルウェーのTandberg Data ASA。

 RDX QuickStorは,2.5インチ大のディスクを専用のカートリッジに収容したデータ・バックアップ媒体である。カートリッジを収容する専用装置と組み合わせて使う。専用装置はUSB2.0接続の外付け型と,外付け型をベースに5.25インチ・ベイ収容用のガイドレールとフロント・パネルを装着したパソコン内蔵型の2種類がある。外付け型はACアダプタ経由で電源を供給する。

 カートリッジは,動作時に点灯するインジケーターやバックアップ媒体管理用のバーコード印刷,テープ・カートリッジ同様の媒体ケースなど,テープと同様の運用管理を可能にしている。緩衝材を内蔵しており,高さ1メートルからの落下にも耐えるとしている。2007年3月現在では40G/80G/120Gバイトの3種類のカートリッジを出荷しており,2007年4月に160Gバイト,2007年第3四半期に250Gバイトのカートリッジを出荷予定である。

 RDX QuickStorのカートリッジ規格は,現状ではTandberg Data ASAだけが生産しており,自社ブランドおよび米DELLなどへのOEM供給によって販売している。ディスクを用いたバックアップ・カートリッジとして競合する製品は,米Quantumの「GoVault」と,米Imationの「Odyssey」である。なお,米Imationは,RDX QuickStorのカートリッジ規格のライセンスも購入済みであるという。「今後は,ディスク・カートリッジを用いたデータ・バックアップ市場が急成長する」(タンベルグデータ代表取締役の大島啓孝氏)。

 RDX QuickStorの使い方は以下の通り。カートリッジを専用装置に収容してパソコンにつなぐことで,NTFSでフォーマット済みのディスク・ドライブとして利用できる。外付け型であれば,USB接続の外付けディスク・ドライブと何ら変わりなく使える。一方,カートリッジを収容する専用装置はIC基盤を持っており,CD-Rのように記録媒体を交換可能なドライブ装置として扱える。このため,カートリッジ1本に収まりきらない大容量データであっても,バックアップ・ソフトを使ってバックアップできる。バックアップ途中でカートリッジの交換をうながされる仕組みだ。

 価格は,40Gバイトのカートリッジが参考価格で1万6000円(税別)など。カートリッジを収容する専用装置と40Gバイトのカートリッジ1本,および米Symantec(旧米Veritas Software)の「Backup Exec」などで構成する基本パッケージは,税込みで69825円である。2007年4月の販売キャンペーン時には「6万3000円程度を考えている」(大島啓孝氏)としている。