米Motorolaは米国時間3月21日,2007年第1四半期の業績予測を下方修正し,当期決算では赤字を計上するとの見通しを明らかにした。それによると,携帯機器部門の不振が影響し,売上高は92億~93億ドルの範囲,GAAPベースの1株当たり損失は7~9セントとなる見込みである。

 同社はこの事態を受け,利益性および株主価値の改善計画を明らかにした。自社株の買い戻し計画促進として,割当買い戻しプログラムを普通株の75億ドル分に増額するとともに,20億ドル分の買い戻しを進める。

 併せて,経営幹部の交代も発表。ネットワークおよびエンタープライズ事業部門のプレジデントであるGreg Brown氏が,社長兼COO(最高業務責任者)に即日就任した。さらに,投資管理会社の米Meritage Capitalのジェネラル・パートナであるThomas J. Meredith氏が4月1日付で暫定CFO(最高財務責任者)に就任する。現CFOのDavid Devonshire氏は同じく4月1日付でCFO職を退く。

 同社は今後,コスト削減と消費者の信頼確保に取り組み,携帯機器事業の売り上げおよび利益性の改善を目指す。主な取り組み項目は以下のとおり。

・携帯電話の機能を向上させるため,ミッドレンジからハイエンドの製品すべてにLinux/Javaのオープンソース・ソフトウエアを採用する
・半導体部品のコストを見直す
・デザインだけでなく機能性も重視するマーケティング戦略に切り換え,製品価値を高める
・製品の設計プロセスを見直し,価格面の競争力を向上させる

 2007年通期の業績についても,現段階では従来予測をかなり下回る見込みだが,黒字は確保して営業キャッシュ・フローも改善が期待できるとしている。不振の携帯機器事業についても下半期は徐々に業績が改善し,通期では黒字を見込んでいる。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]
[発表資料(3)]